伝える(スタッフM)


私の前職は、イタリアからの輸入ファッショ雑貨を、特にアクセサリーを中心に販売しておりました。
そのアクセサリーは、ベネチアングラスのビーズをワイヤーワークで一つ一つ職人さんが手作りしているものでした。
小さな路面店を構えておりましたが、百貨店での期間限定のイベントとして出店することも多くありました。
百貨店での販売は、新規のお客様とであるチャンスであり、特に気を遣うことが多かったです。
華やかなアクセサリーに魅かれ足を止めて頂いた方に、その商品の魅力やどういったコーディネートでどんなシーンに合わせて頂けるかをお伝えすることは、販売の基礎の基礎でした。
しかし、その商品の特性をお伝えしきれずにご購入いただいてしまったこともありました。
機械で大量生産したものとは違い、一つ一つ形や色も微妙に違う商品で、とてもデリケートなものでしたので、ワイヤーが切れてしまったりパーツが外れるなどの破損は実際に多々ありました。もちろん、取り扱い注意のカードはどの商品にも付けてお渡しするのですが、接客の際に「デリケートなものなので、壊れることもありますができる限り元の形状に修復できますので」という一言がお伝えしきれないこともありました。
そんな中で、実際に初めて修理のご依頼を頂く方は半ばクレーム交じりでした。(当然だと思います)
せっかく気に入って購入したものが壊れてしまうのは悲しいことであると思います。
修理後にその品物をお渡しする際に、改めてその特性をお伝えするのですが、ちゃんと伝えられご納得頂けると、後々とても良い顧客様になってくださり長くご愛顧頂けることが多いと感じられました。
現在の業務の中でも、お客様にお伝えしきれていない・・・と思うことがしばしばあります。
お伝えするタイミングも非常に難しいことと実感しております。
耳触りの良い事をお伝えするのは容易ですが、耳触りの悪いこともお伝えしなくていけないと思っております。
きちんとお伝えしご納得頂けることがお客様の信頼につながるので、日々心掛けていきたいと思います。